2009年05月07日

Dreamline(詩その2)

He's got a star map of Hollywood
A list of cheap motels
All along the freeway
She's got a sister out in Vegas
The promise of a decent job
Far away from her hometown



「彼はハリウッドの星図を携えて
「安宿のリストを携えている
「一本道のフリーウェイで
「彼女にはヴェガスに出て行った親友がいる
「堅気な仕事を約束されて
「故郷から遠く離れて

1行目はハリウッドの「Walk of Fame」を指しているようにも思えますが、
単純に1番のエコーで「星座」という言葉を使ったように感じます。
(彼が俳優か歌手を目指しているのはここで明らかになります。)

1番では小目標(またはステップ)を「星々」と比喩したわけですが、
彼は安宿の一覧も持っていますので、なんのコネクション無しに、
志一つで飛び出しているのが分ります。

一方、彼女の方ですが、
sisterを親友としてみました。
has got は英国流にhas を表現してるだけですが、
姉か妹では「今、持っている」という感じにそぐわない気がします。

sisterには口語の「brother」と同様に親しい友人の意味もあるので、
どちらかというと、親友が1人夢を持ってヴェガスに出て行ったした方が合うように思います。

decentを堅気と書きましたが、
露骨に書くと「裸にならない仕事」というニュアンスだろうと思います。
decentには「ちゃんとした着衣でいる」「裸でない」という意味があります。
(ヴェガスのショウビジネスはどちらか極端ですよね)

最後の「her」が主人公を指すのか、sisterを指すのか不明で、
同郷であればどちらでもいいわけですが、その場合「their」になるはずですので、
雰囲気は「主人公の彼女はまだ故郷にいる」感じであるように思います。

主人公2人は、既に夢に向かって打って出ていると思っていましたが、
彼女の方は意思はあるけれどまだ踏ん切りが着いていないのかもしれません。

(もしかすると2人とも夢のまま「実行に移していない」のかもしれません。)

They travel on the road to redemption
A highway out of yesterday -- that tomorrow will bring
Like lovers and heroes, birds in the last days of spring
We're only at home when we're on the wing
On the wing

「彼らは贖罪への道を旅する
「昨日から発するハイウェイ、それこそが明日をもたらす
「恋人たち、英雄たちのように、春の終わりの鳥たちのように
「僕たちは羽ばたいている時こそ堪能でいる
「羽ばたいている時こそ

贖罪というと言葉が硬いですが、
換言すれば、失敗や後悔を糧にして前進する旅を続ける、という感じだと思います。
そして不断の努力、

A highway out of yesterday -- that tomorrow will bring

隠れていますが、「明日をもたらす」「昨日の出口」とは「今日」に他なりません。
つまり現在進行的な努力が夢(明日)を実現させると続きます。

・・・春の有終の鳥たち、
これは私的詩的解釈山盛りに為らざるを得ないのですが・・・

こんな感じです。
(いずれにせよ、「恋人たち、英雄たち」と並列の関係にあるとしてですが)

「春」が幸福感のメタファーだとして、
楽しそうに躍動している鳥たちは「その日で春が終わることなど関知していない」、
あるいは「全く無関係に飛び回っている」、
という感じだろうと思います。

ここでのlast day はこの後にでてくる「limited time」とかタイトルの「Dreamline」とつながっているように感じます。

サビです。

When we are young
Wandering the face of the Earth
Wondering what our dreams might be worth
Learning that we're only immortal
For a limited time

「僕らは若い間、
「地球の表層をさ迷い歩き、
「僕らの夢の価値を憂い、
「僕らこそが不朽の存在であることを学ぶ
「限られた間は

意味はストレートです。
ただ私的解釈では最後の「For a limited time」が気になってまして、
直前の4行目にかけてしまうと矛盾するように見えます。

サビで表現してることは
若いうちには夢を探したり(wandaring)、夢を持っているからこそ夢を憂いたり(wondering)、可能性は無限あると思ったり(immortal)、
してるわけですから、

最後の一文だけ「限られた間だけは不朽だと学ぶ」となるのに違和感を覚えます。
何故なら、それは若さの終焉でもあるからです。
その感じがサビ冒頭のWhen we are youngにそぐわないような・・・

とすると、
2行目〜4行目は並列で、
1行目で起こして、5行目は警告的に全体にかかっていると捉えられないか・・・

つまり、1行目と5行目はイコールで、
若い時分と限られた時間は同じなのではないか、と。

つまり、2〜4行は限られた時間(若い間)の機動的思考であると。
(それが大切な(あるいは、だった)はずだ、という鼓舞としてですね)


もう1つの解釈は、ここに時制が流れていると考えた場合です。
2行目から4行目まで推移を表しているとしたら絵が異なってきます。

1:若い時は
2:夢を探し
3:見つけた夢を憂い
4:その夢が時間制限付きであることを学ぶ

という感じです。

どちらとも取れるのですが、
見た目すんなりするのは後者で、私的心情的には前者といった感じでしょうか。
後者の場合、何となく詩の全体感を否定するようで微妙に納得できません(笑)
posted by snowdog at 16:35| Comment(2) | TrackBack(0) | Roll The Bones | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして。佐賀県は唐津の主婦です。回りにRUSHファンがいないので、まずは旦那を取り込むことに成功しました。ほぼ毎日ライブDVDを観賞しながら晩酌です。細やかながら啓蒙活動続ける所存であります。よろしくお願いしますm(_ _)m
Posted by Neil Peart at 2009年05月26日 00:07
Neil Peartさん、

コメントありがとうございます!
その地道な教宣が大切ですね^^

私も地道に増やしています。
CDを送りつけたりして^^;

不定期更新ですが、今後とも宜しくお願いします!
Posted by snowdog at 2009年05月27日 16:21
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