この曲の解釈をするのに当って、3つの別の作品と遭遇したので一応、記しておきます。
(そのタイトルについて触れなかったことも含めて)
その内2つは何がし関係があるかもしれません。
1つは過日の「華氏911」で再び脚光を浴びたアメリカ作家レイモンド・ブラッドベリ氏の「歌おう、感電するほどの喜びを!」(原題:I sing the body electric)。
作品「華氏451」のタイトルをパクったとムーア監督に食ってかかったらしいのだが、ムーア氏の言う通り、
もう1つ遭遇した19世紀の米国詩人ウォルト・ホイットマン氏の代表詩集「草の葉(原題:Leaves of Grass)」からの引用であるのは間違いない。
「草の葉」に含まれる詩の1つに「I sing the body electric」というのがあるのです。
ホイットマン氏の代名詞とも言われる作品で、それまでの精神至上の風潮(あるいは価値観)をひっくり返す肉体賛歌であったそうです。
確かにマッチョな感じ(?)が序盤から見て取れます。(労働者出身であるからかな・・・?)
冒頭文を引用しておきます。興味がある方は こちらを どうぞ。
I sing the body electric,
The armies of those I love engirth me and I engirth them,
They will not let me off till I go with them, respond to them,
And discorrupt them, and charge them full with the charge of the soul.
Was it doubted that those who corrupt their own bodies conceal themselves?
And if those who defile the living are as bad as they who defile the dead?
And if the body does not do fully as much as the soul?
And if the body were not the soul, what is the soul?
しかし、その内容は自己中心的ではなく受け入れ易いものであると研究されています。
パンチが効いているのでしょう。
ブラッドベリ氏がこの詩の何にインスパイアされたのか、あるいはタイトルの語感だけなのか。
(・・・文庫本で出ているので「トム・ソーヤの冒険」同様、読んでみます。)
しかし、「歌おう、感電するほどの喜びを!」というのも凄い訳だな・・・
引用と知らない読者であれば「詩的で面白いタイトルだな」くらいなのでしょうけれど、
原題の sing は歌うではなく、賛美するという意味ですし、
ホイットマンが使った electric も電気とは関係なく、物凄く緊張したとか、
何だろうな、引き締まった肉体とか(洒落を飛ばせは、まさしく「しびれるような肉体」)
ブラッドベリ氏はそれを「電気仕掛けの体」としてSF小説にしたわけですね。
(ニールの詩のバックボーンはブラッドベリ作品の方だと思われます・・・現時点で推測ですが)
・・・3つ目の作品ですが、
Weather Report が72年に発売したアルバムタイトルが「I sing the body electric」です。
2004年12月16日
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