本作は全体的にヘビィな内容でした。曲調も詩も。
Signalsの発展型と思える部分はアンサンブルや編曲の妙で、曲調はSに比べハードだと思いました。
アンサンブルは一層とシンセ導入がなされ、ゲディがベースを弾かない曲も登場したりしました。
が、全体的にはSignalsよりロック然とした曲が多くそのメッセージと相まってラッシュのパワーを見せつけられた感があります。
当時、来日ということもありPVが結構流れていて、曲と映像が混在したイメージで記憶されてる曲が多いのが懐かしい。
意外とRed Sector A を除きキーボード無しでもいけそうな楽曲ばかりで、
ある意味、曲の基本構成はCP以降の作品と近いようにも感じました。
本作に込められたプロットを見ると、
冷戦、死別、冷徹な差別、自己、統制への反抗、怒り、情報操作、紛争(他人事な)・・・
(もちろん、もっと様々なことや思いが詰っていますが・・・)
Kid Gloves 以外はヘヴィな社会的テーマ諸々であったのだなぁ、
Signalsとだいぶ表現も違ったんだなぁと実感します。
S は割と塊の中における個人の立ち居振舞いやその繋がりが綴られていて、
奮起を施す発破や機知による救済の可能性が汲み取りやすく表現されていたように私は感じますが、
GUPは、ある意味、問題を叩きつけるような強さがあると思いました。曲も詩も。
覚醒を促すようでもあります。
秀逸なのはプロットの諸々がアルバムタイトル「Grace Under Pressure」に束ねられていることです。
窮地にGUPであろうとか、そういう事態にならないようにGUPでいようと・・・
GUPは日常的にもキャッチコピーと使われている言葉です。
日本語にしようとすると難しい。grace は非常に広義な言葉でもあります。
感覚的でいいように思います。このタイトルの解釈は・・・
GUPのレビューが終わりましたので次に行くところですが、
年末なのでレビュー中のPrestoに専心します。
(余談)
別人が使ったGUPを2つ(引用であるかどうかは不明です・・・)
Ernest Miller Hemingway "Courage is grace under pressure."
John F. Kennedy "The elusive half-step between middle management and true leadership is grace under pressure."
2人とも同時代を生き、銃に倒れた。
ヘミングウェイなどはこれだけの名言を残しながら、自ら命を絶つとは悲しい限りです。
(Between the wheels に彼の引用の引用があるとRUSH FAQ に書いてありましたが、
アルバムタイトルとは関係ないように思います。ただ、何となくですが・・・)
2004年12月21日
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