ロックの醍醐味満載。未来を予感させるアルバム。
アンサンブル重視の中に歌のメロディラインの牽引力を高めた逸品であります。
未来というのは、当時から見た未来ということではなく、今聴いても未来を感じるという意味です。いや、不思議にそう思うのです。
(この辺の感覚は別記事で書きます。)
車の運転したての頃、FEN(現AFN)を聴いていて、よくThe Spirit Of Radioがかかっていたのを思い出します。まさにラジオからということと、AM特有の音質と相まって昔風情バリバリで味があったなぁ。当時既にクラシックロックというコーナーだったようにも記憶してますが・・・。
このアルバムに含まれる楽曲の一部ははライブ盤「神話大全」体験が先だったのですがA面を聴き終えるや、えらい興奮したのを憶えています。
前作Hemispheresに比べると音の処理が一層「三人一丸」的になっているのと同時に、個々の音が全体的に張り合うように絶妙にミックスされているように感じます。音像が「点」から「面」になったとでも言えばいいでしょうか。
各パートの音をステレオ処理するとパンチが効かなくなるのですが、Neilのドラムを高音化させることと、Geddyのベースを若干大きめに処理することでドライブ感と生生しさを高めています。
逆にAlexのギターは「コーコー」する中音域を強調した音に変化しているのですが、前出の2人の音とのミックスが気持ちいいのであります。全体をトレブリーにするのではないところが効いています。
そしてこのバランスは、続くMoving Pictures で踏襲、精錬されシンセをもアンサンブル化したRUSH Color とも言える重合体になっていくのです。
・・・音の話が中心になってしまいましたが、
個人的には翳あるアルバムのような印象があります。アルバムジャケットがセピア調のモノトーンだからでしょうか・・・上がり2曲がアーティスティックな作風だからでしょうか・・・自分でもよく分らないのですが、レビューしながら何か見えてくるかな、と。
痛快変拍子にドラマチックな展開、そしてキャッチーなメロディライン。
フォロワーが激増するきっかけになったアルバムであるのは間違いないでしょう。
「これからRUSH」という方に是非聴いて頂きたい作品最右翼。
(余談)
以前にも書きましたが、このアルバムからの3作はアルバム表現の一つの方向性を持っていると感じていました。MPとSはレビューした結果、やはりそうだったという感を再確認したのですが、その先駆けとなる本作が果たしてそうなのかどうか楽しみです。
・・・Permanent Waves のwaves。複数形になっていますが、その一つ一つのwaveが各楽曲であり、束ねた形としてアルバムタイトル化されているのではないか・・・
■あ、鼻血出た
・The Spirit Of Radio
・Freewill
・Natural Science
■マスター上がりビール!
・Jacob's Ladder
・Different Strings
・・・Entre Nous はこれから勉強します
2005年05月19日
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