2005年05月23日

Freewill(詩その2)

後半の固まりも前段同様に決定論、運命論者の物言いが続きます。
自己責任が無く、どうも後ろ向きな。
・・・最終バースは保留か・・・。


歌詞全文

1番と造りが似ていて卑近な決定論者の言い訳が巧みに述べられます。

------------------
負ける手役が配られていると考える人がいる
カードが彼らに不利になるよう積まれている、と
彼らはロータスランドに生まれたわけではないというのに・・・

全ては既に定められている
拘束された囚人のようなもの
不快な宿命の犠牲者のようなものなのだ
-----------
随分とネガティブですね。
しかしカードゲームの駆け引きを用いるところにNeil師匠の手腕を感じます。
とても解り易いです。長めの比喩とも取れますし、具体例としても決定論者の「弱さ」を伝える説得力があります。

(余談風)
Lotusland は逸楽(気ままに遊び楽しむ)の国、ということになります。
ギリシャ神話に通じます。
トロイの戦いから帰還中に兵士達がある島に立ち寄り、原住民が好んで食べている蓮の実を食べるとホゲホゲと気楽な心持になって何もしなくなってしまうのを見て、
将校は慌てて兵士を引き連れその島を後にするという逸話が残っています。
その原住民はlotus-eater と呼ばれていたのですが、現在も、気楽に過ごす人や夢想家のことを比喩表現としてそう呼ぶこともあります。

・・・カナダではバンクーバーのことを(特にトロントから見て)Lotusland と呼びます。

現世はそんな御伽話に出てくるように無努力で気楽に生きていける場所ではないというのに
という、Neil師匠の言葉でしょう

続く Kicked in the face は師匠の言葉替えによる強調だと思います。
slap in the face で「侮辱する」という意味です。slap は「はたく」「平手打ちを食らわす」という意味です。
普通じゃないくらいに、という強調をするためにkickに替えたのだと思います。
-----------
酷く侮辱されても
君はある場所へ祈りを捧げることができるのだ
地上には無い神の領域にある場所へ
-----------
・・・受け止めてしまうわけですね、侮辱を決定論者は。
Heaven 大文字なので神としましたが、
立ち向かっていこうともせずに、
(決定論信奉者にとっての神ですから)「運命」という大袈裟な言葉(あるいは結論)に逃避をする。
という意味だろうと考えました。

最終バース、これまた難しく・・・
ここは1番の最後と同様の仕掛けがあるように思えるのですが、最終行が結合しないんです。
1番で「planet」と「stars」という関係がありそうな言葉で迷路に誘う。
ここでは「cell」と「gentic」。関連させると「細胞」と「遺伝子の」という言葉になります。

勿論、比喩としてまんまで訳すこともでき、以下のようになります。
-----------
我々は
意識を持った細胞のようなものなのだ
不十分であり不完全な

遺伝因子の混合物なのだ
不確実な存在目的を持った
-----------
ここの部分も運命論者の言い訳であろうと思いますので、このままでも何となく雰囲気は伝わります。
生物学的にも過去の経験に規定され各人の遺伝子が形成され、性向(endsを存在目的としてみました)が決まっていくのだ、
とも取れます。進化論チックでもありますが・・・

しかし、このままでは最後の2行がつながりません。
With uncertain ends
On a fortune hunt that's far too fleet.

fortune hunt は慣用表現で、あまり良い意味ではなく「お金目当てで」「財を成そうとする」という感じです。
「玉の輿に乗る」というような訳もある通り、結婚の目的がお金である場合にも使われます。
fortun hunterという言葉もあります。

最後のthat's 以降の節がNeil師匠の言葉だと感じますので・・・以下のように視点を変えてみます。

cellは「細胞」は「細胞」でも結社や政党の末端組織という意味もあります(既に比喩的ですが)。
そうするとawareness の「万事心得えた」、「とても通じている」という意味を当てはめてみると絵が変わってきます。
-------
我々各々は
心得た末端組織のようなものなのだ
完全ではなく、十分でもなく
-------
という感じになります。
まるで指示命令でつながった会社や軍隊のようなものなのだ、と。
ピリオドが打ってあるので不完全・不十分はawarenessにかかるのでいいと思います。
決定論者の発言(若しくは思考傾向)が表現されていると思います。

Gentic blends はこの直前バースを受けた比喩表現だろうと考えます。
blend は既に単独で混合物をさす言葉で、その複数形ですから、我々一人一人が混合物であり、その集まりであるということになります。

詩的ではありませんが、辻褄が合うように日本語化してみると
----------
財欲を素地とした
はっきりしない存在目的を持った
遺伝因子の混合物だというのか
それは極端で果敢なすぎる
----------

前バースの「彼ら」の言い分が、会社機能のように世の関係を見ている風でしたので、
根本が経済とか金銭的思考に根差ざす共同体であるかのような捉え方を否定しているのではないか・・・
うーん、最後は難しいので、やはり保留気味です。

・・・全体的にアンチテーゼが山盛りに描かれていたことに驚きます。
それ故、サビの I will choose freewill が引き立つことも見逃せません。
爽快です。痛快です。
posted by snowdog at 12:14| Comment(1) | TrackBack(0) | Permanent Waves | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
きょうPunonはここで固まりへ決定しないです。
ここに保留するはずだったみたい。
きのうPunonが、ここにsnowdogのバーみたいな決定したかったの♪
Posted by BlogPetの「Punon」 at 2005年05月24日 13:29
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