RUSHの楽曲の唯一といっていい作風。
イメージやテーマもいつもの「心」とは異なり、
神々しい自然の力とそこから生まれるインスピレーション。
曲が凄いです、曲が。
歌詞全文
フォルストの「惑星」とかヴァンゲリス作品に近いような、
音による描写とでも言えばいいのでしょうか。
映画のサントラのような豪華な仕上りです。
詩は短く(プログレ条件をクリアしている?)とも言えるか・・・
空に暗雲が巻き起こるところから「ヤコブの梯子」が差し込むまでの気象変化を綴っている・・・
まんま、その荘厳な曲調から「裏」無しでもいいのですが、
冒頭の黒雲が空を覆うシーンは物騒な表現が多く、そこから最後の力強い言葉への遷移は単純ではないようにも感じます。
しかし、言葉少なげで深読みは不可能に近いのですが・・・
(余談)
先週からRUSH観を書こうと思っていて、全く無関係に読み出した本に抵抗感を持ってはまってしまい。中座状態。
しかし、Freewillの詩ではありませんが反対から見ると切り口や突破口が見えてきたりもします。
出だし偶数拍と奇数拍の組合わせ循環はとてもRUSH的な変拍子であります。
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暗く、ぐずついた沈黙の中
雲は戦いに備えるかのように広がり
傷つき、陰気な嵐雲は
日の光を翳らせる
早過ぎるたそがれの中
それは低く、不気味に垂れこめ
雷鳴が低くうなる
彼方の序曲のように
(Sarieさん訳)
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この個所、とても文学的というか、表現が秀逸というか。
Bruised and sullen という個所。bruised は見た目が傷ついている風を表わす言葉で、判り易い訳にすると痣(アザ)。
空にアザのように垂れこめた雲がどんどんと日の光を背後に抱え込んでいく
という絵になっています。
twilight premature というのも詩的で、「黄昏には早すぎる」という表現なのですが、
よく夕立が来そうな時に一気に暗くなったりしますね。
夕暮れでもないのに暗くなっていることを2語で秀逸に描いています。
重めの展開からオクターバーを使ったAlexのリフレインとギターソロへ。
シンセの不思議な雰囲気からGeddyのヴォコダーを通した歌が短く入ってくるところから曲が一気に陽調になっていきます。
雲が割れ光が差し始めます。
6/8,7/8のリフ循環の盛り上げが尋常ではありません。Neil師匠の1人展開は鳥肌が立ちます。
Geddyのベースも頭からユニゾンするのではなく白玉から入るところに手腕というかセンスを感じずにはいられません。
そして、そして3人ユニゾンのブレイクパターンが圧巻です。
最後の描写が美しい。曲の展開とも協力に助長しあい・・・
Follow men's eyes as they look to the skies.
The shifting shafts of shining weave the fabric of their dreams...
雲間からの幾条もの光線(=ヤコブの梯子)を見上げる人々の晴れ晴れしい表情が目に浮かびます。
いい曲だな。しかし。
ヤコブの梯子については余談があるのですが、後述。
2005年06月08日
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