今、集中的に聴いてみると、当時よくよく聴き込んでいたなぁと感じます。
AM放送でA2のGrand Designsがかかっちゃうあたり当時の人気振りと再来日の期待高まる時代であったことが窺い知れます。
(残念ながらそれ以来、再来日は未だ実現しておりませんが、祈念して止まない。)
MTVでThe Big Moneyがよくかかってましたし、この頃に初めてRUSHに触れてファンになった方も多いのではないでしょうか。チャートを意識したかどうかは知る由もないですが、或る意味メジャー振りを確固たるものにしたアルバムかもしれません。
また、Power Windows Tour を収録した A Show Of Hands の後押しでこのアルバムに含まれるMarathonのライブバージョンがチャートインするなどMPに続く出世作と言えるかもしれません。
しかし、The Big Money,Grand Designsというドス・パソス関連作品を除く楽曲アンサンブルは一層と複雑化していて全体的に荘厳としうか壮大という印象であります。音響的にも前後感という意味においては「一番派手」(前に残すモノは残し遠い音とのギャップを実践していて個人的には非現実的な印象を持っています。・・・ライブで再現できないという「非現実的な」という意味ではなく人工的なバランス(自然ではないというニュアンス)であるということ。
RUSH、テクノロジーを喰らふ。といった感じでしょうか。
しかし、GUPの延長路線であろうと予想してはいたものの「予想通りで予想以上だった」というパワーには圧倒されます。
(時代的にはロックやら派生するニューウェーブな音楽が音響的に実験的なことを色々とやっていた時期だと思うのでRUSHだけがということではないですが・・・。)
ベースの音が前作に比べ「生っぽく」変化したことは、やはり全体的な音色が増えたことによるバランス感覚が故だろうと思いました、当時。
実は、これについてはいい意味で若干裏切られていくことになります。
(余談)
Pow発売前に夢を見たんですね、RUSHの新譜を聴いている夢を。その時に耳に残ったフレーズがGrand DesignsのAパターンのベースラインに似てて驚いたという思い出があります。
私的には貪るように聴いたが故に謎な親近感を覚えるアルバムです。
同級生に聴かせてウケがよく身近なでミクロな猛攻旋風が起きたからかもしれません。
The Big Money のパンチはRUSHの可能性
Mystic Rhythms のアプローチはRUSHの芸術性
・・・こういう剛柔混合でも違和感のない世界を、実は成し遂げている凄いアルバムであります。
しかも両曲とも今までのアプローチにないという変化を実践しながら・・・
不思議に最初と最後にこの2曲が配されていて(パターン的には普通ですが)、Mystic Rhythmsが終わるとThe Big Money のイントロが始まるような錯覚を覚えます。
聴き過ぎか・・・