2005年09月21日

2112(Anthemとの関連)

2112という作品の妙味。
不思議なシンクロニシティなのか、残像のパッチワークなのか。
「2112」。RUSHらしい物語で締め括られる独特の救済感はロック(あるいは音楽)だからこその可能性を見事に引き出している。


藤森さんの「Anthem」読了しました。
読了はだいぶ前なのですが、藤森さんとSarieさんお二人が図らずも言及していたジョージ・オーウェルの「1984」を追撃したため今日になりました。
「Anthem」については原文サイトもありましたので興味がある方はこちらをどうぞ。

http://personal.nbnet.nb.ca/mcnally/anthem/

ちゃんとしたレビューは後々として「Anthem」と「2112」の関連について少々。

短編といっていいのでしょうか量的には・・・
主人公「Equality 7-2521 "平等七の二五二一号"」が一人称複数(we)で語らせる変則一人称形式小説。

一人称複数には我々(自分側の主体)を指すものと、相手を含めた不特定の人を指すそれがあり、
地域や民族によってはこの2つを区別する言葉を持っていることもあります。
「Anthem」における「we」は後者であります。(英語には「we」しかないのでややこしく)

読み辛いわけですね、最初は。「私は○○です。」という言葉が「人々(we)は○○です。」と頑なに語られるので・・・。
2章あたりに進むと慣れてきますが、それでも何かシャツを裏返しに着ているような気分であるわけです(eyeglass in reverseですね)。

仕掛として後段で主人公が古い書物から一人称、二人称を発見する事で文章が一変します。
元々一人称小説なのですが、正真正銘の一人称小説に切り替わるわけです、突然に。
読んでいてこの清々しさ。狙いの深さに感嘆するしだいです。

Neil師匠のインタビュー記事上で本作品との関連に否定的に述べているようですが、
語気としては「猿真似」的に直結している評論に否定的なのであって関連はあると思います。

しかしその関連というのは・・・

確かに「Anthem」の「Equality 7-2521 "平等七の二五二一号"」が電気を発見し”学識びと協議会”に説明し否定されるシーンと
「2112」で主人公が古代の弦楽器を発見し司祭たちの面前で演奏し否定されてしまうシーンは酷似しています。
が・・・どうなんでしょう(後述)。

「1984」からの影響があるようにも思えるし(インタビューが偶然にも1984年というのが気持ち悪い)。
(「2112」に出てくる組織名Brotherhood(兄弟同盟)が「1984」にも出てきます。「2112」では為政者側組織、「1984」では反体制運動家たちの集まりという全く反対の位置付けの組織ではありますが)

プロットとしての全体主義(=裏には為政者の独占的な一元価値絶対主義があるわけです)がそこにあるということにおいてのみ関連しているのです。
そしてその仕組の中で、大切であると発見した「良質なー人間性」の確立とは?という投げかけにおいて(個性という言葉が近いのでしょうが、私的に個性という言葉が好きじゃないので一人間性としておきます)。

不思議なシンクロニシティであると感じます。


つづく
posted by snowdog at 10:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 2112 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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