2009年01月22日

Snakes&Arrows LIVE DVD見るべし!!

このDVD凄いです。
昨夜、一気に本編を見ました。

すげーこれ。
CDが先行発売になった意図もなんとなく頷けます。

細かいネタバレ的感想は後日に譲るとして2点だけ。

(1)音について
音質とミックスが「半端ねぇ」です。
CDとDVDの発売の時間差はかなり意図的だと想像します。

ドラムの生音感、ベースの音圧と生々しさ、ギターのハム然とした乾いてるのに艶やかな音色、
そして全体のバランス。

これライブ会場のノリです。紛れもなく。
見終わってVTツアーのライブを体験した時と同じような「心地よい疲れ(あるいは(放心)」に襲われました。
それくらい音の迫力と鮮明さが凄いです

意図的だと思うと言ったのは、

RIRはある意味、当日のトラブルもあって「一発録音」の荒さが一種の売りで、
(復活の記念碑的な映像でもあるので、その「荒さ」がRIRの持ち味とも言えます)

続く、R30はライブショーとしてのドラマ性に重きがあったように思うんですね。
出音の感じも「A Show Of Hands」ライブと似た感じで、基本ラインに薄くホールトップの音を混ぜつつもサウンドボードの質感で再現されてました。

で、今回のSnakes&Arrows Liveですが、CDを聴いた時に直感的に「現代版 神話大全」みたいだなって思ったんですよ。
(個人的には昔のライブアルバムのホール感が好きなのでハードリピートしてしまってます。笑)

そしたら、何と!!
CDと違うじゃないすか!DVD!
DVDの方が数段、迫力もニュアンスも良質になっています。

感じとしてはライブ会場のメインスピーカー状態と言えばいいでしょうか。
ちょっと押し合いへし合いしてるんだけど、個々の粒はしっかりミックスされて全体の音圧をマックスにしたような感じ。
とにかく凄い!!

これはメンバーの創意が相当働いていると思うんですよ。
このDVDは今までと違う感じで行こうぜ!って
だから、CD発売より後発にしたのは、CDミックスをベースに更にライブ感を出すための更なるミックスダウンとイコライジングに時間をかけたかったのではないかな、と。

RIRも、R30もCD制作されていますが、いずれもDVDと音のバランスとかは変わりません。
ここでいっちょやったるか!って気概があったのではないか、と想像してます。
個々の演奏能力の凄みも細かいところまで聞き取れますしね・・・


(2)映像
RIRはソースを思う存分突っ込んで、ちょっと急がし目のカット編集がされてて、
R30はステージ全体の進行を伝える演出だったと思うのですね、ドキュメンタリー映画みたいに。

このSnakes&Arrowsはライブ感重視で、カットのスピードが割りとゆっくり目で、
正にライブ会場での目移り程度にバランスされています。
つまり、アンサンブルに没頭できる自然な感じ・・・

カメラワークや画面における人物の大きさの割合とかが、
Front Row(最前列)で見てるかのように演出されていると感じました。
「神話大全」的な部分と全体のバランスを更にドラマチックに切替えて絶妙な進行です。

(これわざと「神話大全」と同じカメラワークやフレーム抜きしてるかも、パロディみたいに。っていうカットが実際にあって笑ったりしましたけど。タムの裏側からNeil師匠を撮影するとか^^)


(1)+(2)=RUSHのコンサートそのものを楽しめる

そういうことです。
このDVDは迷うことなく体験しましょう!!


あー!これライブハウスとか借りてデカイ音で見たいな!!
限りなくRUSHのライブを疑似体験できると思うよ。

10人くらい集められないかな・・・
いや、10人と言わず(笑)
mixiにトピ立てるか!


それにしてもGeddyのプレイはんぱね(@@;)
絶対見た方がいいよ、これ。まぢ


posted by snowdog at 15:14| Comment(3) | TrackBack(0) | Snakes&Arrows | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月06日

単なる修辞学的ではないモノノケ

ただ流して聴いていて
とりとめもなく浮かんだ音楽がありまして
関連が在るとか無いとかではなくて、
忘れないうちに書き留めておきます

Hydra/TOTO
The Red Shoes/Kate Bush
Bump Ahead/Mr.Big
Live Killers/Queen

5.Spindrift〜8.Hope までの塊がかなり不思議で・・・

ふと、思ったのはライブアルバムみたいだな、と、
選曲というか曲順が・・・

KENSOの「天鳶絨症綺譚」というアルバムに味が似てる気もするし・・・
(ロック魂という意味での共通点には太鼓判)



・・・
(全くの余談というか、私的クロストークです。駄文)
The Way the Wind Blows・・・
謎で不思議な曲です。
ブルージーなギターの牽引メロディももちろんなんですが、
へヴィーなリフのAメロは良しとして、
ブリッジからサビ(?)がですね、間違いなく鍵盤で創られたコードワークとメロディだと思うんです(思えるんです)・・・
間奏のギターフレーズといい、コーラスといい・・・

この感じ・・・(Queenの)Brain May作曲に聞こえる誤爆右脳をお許しください。
(私的には在り得ない純粋な感動としてそこにあることを追記しておきます)
posted by snowdog at 22:04| Comment(0) | TrackBack(0) | Snakes&Arrows | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月05日

The Main Monkey Business

丸焼きしたSnakes&Arrowsを携帯電話に突っ込んで移動しながら聴いています。

これほどまで貪欲に「聴きたい」「聴き込みたい」と思ったアルバムはかつてあったかなぁ。
(RUSH以外も含めて、しかし---RUSHだから---は否定できない。)

いかがわしい業(猿業?)と冠されたこの曲を聴いているとRUSHが何を刻もうとしてるのか最早到底考え及ばない。唯、そのスケールと純粋さとヘンテコさに圧倒されるのみだ。

ジプシーソングのような無国籍な調べはRUSHならではの不思議な聞き覚えを錯覚させてくれる。

(HOPE,The Main Monkey Business,We Hold On はかなり意図的にジプシーフレーバーを含ませていると思う。あと、Far Cryのイントロパターンも香るなぁ、私的に・・・そして、今打って気がついた。この4曲が聴き始めた現在のお気に入りであることを。)

Alexの百色ギターがVTからの発展的アプローチで気持ちいい。全体がギター的に凝った造りであるのは事実なのだけど、ここまで惜しげもなく繰り出されると、別のギタリストかとさえ思う。

アルバムの曲によってギターのアンサンブルタッチが違うのは大好きなのだけど、RUSHの歴史では珍しい(というより初めて?異色を放つと言う意味ではT4EのRegistなど散見できなくもないけれど・・・)。

Snakes&Arrows の彩色について思うとき、
「弾けるAlex」を特筆しないわけにはいられない。
posted by snowdog at 18:05| Comment(0) | TrackBack(0) | Snakes&Arrows | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月03日

第一印象的な感想

まずインストの楽曲が3曲だったことをお詫びします。
そしてこの3曲の楽曲がどれも素晴らしいということを書き添えなければなりません。
(HOPE、いいな。Lerxst Lifesonいいぞ!)

FAR CRY を聴いて感じたことはアルバム全体に楚々としかし力強く流れていた。
地下水脈のように目に見えず清らかで、しかし超純水とは違うミネラル豊富な流れ。

ジャンルが不明な(RUSHとしかいいようのないその彩色)彼らの音楽がここまで精神性を顕にした作品。
演奏力と編曲力へ注がれた精神性はアルバムジャケットとも相まって当然(決して結果的ではない)として傑作に出来上がっている。

「完成度が高い」という言葉が乾いて見えるほどのこの新鮮な重合(安直な表現ならチームワーク)は、
3人の枯渇しない芸術性とユーモアの賜物であり、
RUSHが時間に左右されないことをまたも証明してしまった・・・。

3人による各楽曲のRUSH化は、「FEEDBACK」を接点として「閃光のRUSH」から「Vaportrails」が1つの大きな輪に成ったように思え、本作「SNAKES&ARROWS」はその輪の上をクルクルと回っているように私には映る。Sphereである原子上を円運動する電子。

RUSHが歴史として放ってきた変化・進化というエネルギーは、方向性になど囚われていなかったことを思い知らされた。
(一ファンなぞには分からない方針なるものがあるように勝手に思いこんでいただけで、作品群が一直線上にあるという思いこそが浅薄だったと・・・)

・・・
メロディラインの持つ安息感は初期のアルバム(「夜間飛行」「鋼の抱擁」「2112」「フェウェル・トゥ・キングス」)に含まれる小曲の香りを持っているし、もっと昔の(ニールが言うところの60年代の)香りも確かに持っている。
それがカラーではなく香りであるところが本作の特徴的な結実であると思う。手法としてではなく精神的動機によって織りなされているということが・・・

感想を印象派的に修辞しているのでとりとめもない。
Geddyが言うように本作を説明するのは難しい。

友人の言葉を思い出す。RUSHの曲をプレイしようとするときの演奏者側としての発言。
「最近のアルバム(Presto以降の話し)の曲は以前のものに比べて難しいよ。」
尊敬するベーシストである彼の発言は、どんなにこけてもYYZをプレイすればRUSHのカバーをやっているのは伝わるけど、
最近の曲を再現するためにはRUSHのグルーブ(キャリアや精神性だと思う)が不可欠で俄かコピーでは太刀打ちできないことに言及したのだった。

本作はそれの究極であるとともに、その逆な部分も持ち合わせた不思議なアルバムであるように思える。
キーワードである「Spiritual」が前面に出ているから、曲に牽引されるプレイができるような気がしなくもない。
演奏をしようとすればするほど精神性を感じられるような気がする。

spiritualize us
あり得ない予測も当たらずとも遠からずだった。
傑作というよりも名作がふさわしい。

このアルバム、爆発的なセールスを記録しそうな予感・・・
(実際、今見てみるとamazon.comのBestsellersで2位に位置してる!)
amazon070503.JPG
ジャンルなどどうでもいいことだけど、RUSHをプログレと呼ぶことに否定的なプログレファンにとっても
好印象な作品だと思うし、郷愁漂うメロディは幅広いロックリスナーに受け入れられると確信せざるを得ない。

そして多くのRUSHファンがKOされること必至。
posted by snowdog at 22:40| Comment(0) | TrackBack(0) | Snakes&Arrows | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月04日

Far Cry 私的展開

新手のプロデューサーのお陰だろうけど、音の色合いが今までに比べてガラリと変わっていることに驚いた。
そして、この曲を聴いているとRUSHの「まさか・・・」を予感させなくもない。

聴いてみて不思議な新しさを感じていました。
何度か聴いて覚えたことは、出音のバランスと解け合わせ方が今までに無いパターンであるということ。

「何だろう」を携えて聴きこむと最初に印象的だったのはバスドラの音がタイトで大きいということ。(マイク・ポートノイっぽくもあり・・・)

次にハイハットのトーン処理が今までに比べて軟質で音圧が薄いこと。
ニール師匠の13インチハイハットは、音程が高いその特徴からパーカッシブに使われることが多くて、アクセントフレーズでその気持ちよさを発揮します(Time Stand Stillの7拍子で奏でられる間奏などは好例)。

通常の14インチに比べて減衰が早くオープン→クローズの反応(音のキレ)が高速なのはニール師匠の好みでしょうし、駆使の仕方はニール色と言っていいかもしれません。

軟質というのも説明が難しいのですが、この「FAR CRY」においては、録音マイクの立て方すらいつもと違うのではないかと思えなくもないです。ハットの打面に対して大きな角度(感覚的には垂直に近いような気もする)で音を拾っているように感じるのですね。

今までのオープンからクローズへの移行音はもっとトレブリーで、「シャー」という摩擦干渉音が、オーバードライブさせたギターのように1つの音色になっていました。
新曲ではそのザラつき感が少なく、柔らかい音になっています。


しばらく聴き続けるとバスドラが大きいのではなくて、バスドラを除くドラム全体がアンサンブルの中に溶け込んでいる感じです。

フィルイン時には全体音の中からタムが湧き上がるように姿を現しますよね。まるで穏やかに波打つ水面から突然と白波が立って、元の水面に戻っていくかのように。

・・・
この曲を聴くと「念入りにミックスダウンされているな。」と唸ります。今まで以上にというべきでしょうが、どこか質が違うように思えるのですね。

アルバムのリスト(曲名群。期待膨らむタイトル満載・笑)とジャケットデザインを見ると「まさか」ついに曲によってアンサンブルアプローチが異なっているアルバムになっているかもしれない、とそんなことが頭をよぎる「Far Cry」です。

(歴史からすればあり得ないのですが、RUSHの変化はいつもファンの予想を超えています。そんな私的な期待と言えばいいのでしょうか。カッコいいだけでなくこんなにも洗練されていて、3人の十八番プレイが余さず織りなされている曲に胸躍らないわけがありません。来るぞ強烈なRUSHが、と)
posted by snowdog at 07:45| Comment(2) | TrackBack(0) | Snakes&Arrows | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月16日

FAR CRY

かっこいい聴いてみました。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
かっこいい!

音楽が明るくなるような予想をしていたのですが、
ここまで突き抜けるとは想像を超えていました、RUSH。

RUSHフォロワーバンドが号泣しそうな導入のタイトなリフと変拍子。
疾走感といいますか、クルージングといいますか、
車の運転中には注意が必要な感じの曲です。

でもですね、若さというかやんちゃなドライブ感で走りきらずに、
独特な空間を持った「落とし」への展開など、

もしかしてインスト?
と思わせるようなスリリングな抑揚で聴衆を惹きつける編曲力と不思議な精神性はリアルRUSH(現時点的に究極化するRUSH MUSIC or SOUNDの顕在)ならではの醍醐味です。

・・・
私的に特筆したいのは緻密なリフに乗っかったメロディラインですね。

FEEDBACKへの挑戦が巧い具合に生かされているように感じずにはいられません。

メロディの懐かしさというか優しさが、前時代的な安息を持った旋律とハーモニー(コーラス)が強烈なバッキングの上にあるということです。
(逆にバッキングはヘンテコなのに歌の聴き心地は妙に安心できる、みたいな)


・・・
実はVTから5年が経とうとしているわけで、
孤高だとか無類のとか言われ続けたRUSHでありますが、

「FAR CRY」を聴くとRUSHが既成の音楽ジャンルに全く分類できない域に達した感があります。

到達というよりも、R31だからこそできる現時点的音楽観の具現とでもいいますか・・・

アルバムの発売が待ち遠しい限りです。
posted by snowdog at 00:51| Comment(2) | TrackBack(0) | Snakes&Arrows | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする